カリオストロ伯爵夫人

カリオストロ伯爵夫人 (アルセーヌ・ルパン全集 (15))カリオストロ伯爵夫人 (アルセーヌ・ルパン全集 (15))
(1982/01)
モーリス・ルブラン

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中世の修道僧が残した莫大な宝の謎をめぐって、妖婦カリオストロ伯爵夫人、うさんくさいボーマニャン一味を相手に、若きルパンが縦横無尽の大活躍!それにヒロインとの恋愛ががらむという、典型的な冒険活劇小説。相手を出し抜くやり口は痛快そのもので、今読んでも新鮮みが感じられる作品。

映画 『ルパン三世 カリオストロの城』のネーミングと、ヒロイン・クラリスの名前はこの作品からの引用。この小説はアルセーヌ・ルパン20歳の青二才の頃の冒険談なので、『ルパン三世 カリオストロの城』でルパン三世が「オレは必死に売り出そうとやっきになっている青二才だった・・」というセリフと言ってるのも、この作品の影響かな。

確か小学1年生くらいで一番最初に読んだルパンの本がこれで、そのときは「魔女とルパン」というタイトルの子供向けバージョンだった。あとになって完訳を読んだとき、主人公のラウール(20歳のルパン)と女盗賊カリオストロ伯爵夫人の色恋が、どーもしっくりしなかった。子供向け版ではそこらへんがカットされた分、かりやすくて馴染みやすかったわけだけど、この年(40過ぎ)になってあらためて読み直すと、お互いに憎しみなが惚れてしまうルパンと女カリオストロのやりとりも、なんとなく納得出来た気がする。

ところでエピローグに、続編ともいえる「カリオストロの復讐」につながるくだりがありるけど、それが発表されたのは10年以上たってから。作者の中ではすでに構想が出来てたってことかな。それとも再販を出版するときに、後から付け加えたのかも。どうなんだろ?





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緑の目の令嬢

緑の目の令嬢 (アルセーヌ・ルパン全集 (16))緑の目の令嬢 (アルセーヌ・ルパン全集 (16))
(1983/01)
モーリス=ルブラン

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ラウール・ド・リメジーことアルセーヌ・ルパンが、ふと街で惹かれた緑の目の令嬢・オーレリーを悪漢の手から守り、彼女の持つ謎を解き明かすというストーリー。美女というだけで助けようとしては逃げられる、惚れっぽい主人公のまぬけぶりが微笑ましいというか。探偵小説というよりは冒険小説に近いかも。

〝湖の中に隠された遺跡〟というアイディアは、「ルパン三世 カリオストロの城」の元ネタとして有名。他にも、30代半ばのルパンが美少女オーレリーとお互いに心ひかれながら、ラストでは恋愛に踏み込むより、自分の良い印象だけを残して一旦は去ることを選ぶところ(翻訳により多少話しが違うらしい)など、引用されたシーンがあちこちにあるので、それらをチェックしながら呼むとけっこう楽しめる。ちなみに悪役の〝ジョド〟という名前もこの作品から取られた・・・はず。

単独の作品としてみると、初期のルパン・シリーズほどではないにしても、ゴチャゴチャした展開を一気に解決する謎解きがあったりして、十分楽しめる作品。




イナズマン 全3巻

イナズマン



週刊少年サンデー1973年8月~1974年9月まで連載。

TVの特撮版はみてたけど、マンガの方はパラパラっと数ページを読んだ記憶がかすかにあるくらい。

漫画版→風田サブロウ(中学生(学年不明))
 特撮版→渡五郎(大学三年生)

●サナギマン→イナズマンの2段変身
 漫画版でも基本的に同じ変身をするが、「剛力招来」「超力招来」という掛け声はない。
 また超能力バトルの際にイナズマンに変身しないことも多い(イナズマン形態だと強力な電撃を使えるという程度で、別に変身しなくても超能力を駆使できる)

●ライジンゴー
 漫画版には登場せず。まあ中学生だし…

●主人公の(実)母
 特撮版同様、漫画版にも登場する。ただしバラバンバラには変身しない。
 特撮版では、五郎の母親としては若すぎるような印象だったが、中学生のサブロウを産んだ年齢ならばしっくり来る。

●デザイン



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物語は大きく3つに分けられる。

<A:覚醒パート>

生来のカンの良さで、特に努力しなくても勉強もできればケンカも強い中学生・風田サブロウ。本人は自覚していなかったが、それこそが超能力の素質の表れだった。
バンバ率いる新人類帝国打倒を目指してエスパーをスカウト中の「少年同盟」の一員・リオンはサブロウに目を付け、危機に陥らせて超能力を覚醒させるために猫モンスターと化して襲い掛かる。
その戦いの中でサブロウは期待通りに覚醒。その際に、覚醒・成長の比喩のつもりでリオンが繰り返した
「サナギから蝶に」
という言葉を真に受けてしまったために、サナギマン→イナズマンへの2段階変身を遂げる。
サブロウは少年同盟の基地に案内され、指導者・サラーから新人類帝国の脅威と自らの力について知らされる。

一方、サブロウの通う中学校の女性教師、小巻先生もまた新人類帝国側のエスパーだった。以前からサブロウがエスパーであることを察知し、催眠術など強力なESPを駆使してバトルを繰り広げる。

VS小巻先生との戦いの終局から、御子神率いる桜山高校ESP4人衆との戦いにシフト。
最初に戦う揮大坊玲次郎は途中でサブロウの仲間になり、メンバーの一人コング大王も続いて同調。最終的にリーダーの御子神とのバトルになる。
サブロウの実母との出会いと戦いもこの中で描かれる。

「少年同盟」は、石森過去作品「少年同盟」のカメオ出演(サブロウのコスチュームも共通している)。
「風田サブロウ」は、ご存知「ミュータント・サブ」の主人公名からだろう。もっとも、昔の少年誌的いい子ちゃんな性格が強く出ているサブに比べると、サブロウの調子のいい軽みは「怪人同盟」の小政竜二により近いと思う。家業も魚屋だし。
サブロウへの力試しと覚醒、召集などの過程は、各所で指摘されている通り、かなり「幻魔大戦」を思わせるものがある。リオンもちょっとプリンセスルーナっぽくていいキャラなのだが、序盤以降ほとんど出てこないのが残念。
(サブロウもミヨッペもけっこう大人っぽくて色気があるので、最初高校生だと思い込んでいた…)

このパートは、「幻魔大戦」風の展開に少しオカルト風味を加え、さらに「怪人同盟」のような生活感・日常感を前面に出した攻勢となっており、なかなかバランスがいい。
事件のほとんどが家の近くや学校などで起き、日常生活に足を付けたまま異能者バトルに突入し、また復帰する構図。こうした生活感描写は、石森作品では序盤以外にはすっ飛ばされてしまう(スケールがでっかくなってしまって)ことが多いので貴重かもしれない。
その日常感の演出に一役も二役も買っているのが、隣に住む幼馴染で同級生のミヨッペ。やたらと捕らえられたり、変に脱がされるお色気担当(当時の編集部からの要請か?)ということを差し引いても、当時の中学生とは思えないほどエロくてキュートな女の子なのだが、サブロウのことが何かと気になっていて、お互いの二階の部屋を、屋根瓦を伝って行ったり来たりする。
夏には瓦が焼けているので、うっかり裸足で乗ってしまい「アチチッ」と飛び上がったりと、そういう細かいリアリティが実によろしい。
「イナズマン」では、サブロウの家がバトルの舞台になったり、屋根に出て物思いにふけるシーンなどが多く、「イナズマンといえば屋根瓦」と語る石森ファンが多いのも実に頷ける話だ。

サブロウもまた、適度にスケベだったりと、70年代的な「等身大感」の演出に成功しており、生活感とバランスにおいて、個人的にはこのパートが一番好きかも。

個人的には、揮大坊くんのキャラクターがなかなかよろしい。こういう仲間に転ぶキャラクターが好きだからとか、顔がジェットだからとか、髪型が(「ゲッターロボ」の)初期の隼人みたいだからとかまあ色々あるけれども、何よりも学ランの下にフンドシというアナクロな不意打ちにやられた。

イナズマン02

特撮版では、ロボット刑事やキカイダーに共通する「楕円状の泣き目」型だが、漫画版ではむしろ「桃の種状のつり目」。
また、額のくるくる(蝶の口の部分)が目立ち、フォルム的にも生々しさのある「蝶男」という感じが強調されている。


イナズマン01

ワタリ

watari.jpg

「週刊少年マガジン」1965年18号~67年37号(途中中断有り)連載

古書屋で7冊セットを1,600円で購入。コレクションとして保管するほどの価値はないだろうし、最初っから読み終わったら転売するつもりで購入。なんだかんだで3回くらい繰り返して読んだ。ミステリー仕立ての忍者物としては、まぁまぁの出来。ちなみに「カムイ外伝」の後番組として、アニメ化の企画もあったらしい。代わりに放送されたのが「サザエさん」というから驚き。


『ワタリ』は、

第三の忍者の巻---百地(ももち)と藤林(ふじばやし)の2つの勢力に分かれて対立する伊賀の里に仕組まれた死の掟の謎解き。

0の忍者の巻---全身を鎧に包み倒しても倒しても甦り、奇怪な術を使う「ゼロの忍者」との死闘

ワタリ一族の巻---仲間殺しの罪を着せられワタリと仲間の四貫目が、ワタリ一族の結界を脱出するまでの話


この3部構成になっている。同じ「週刊少年マガジン」連載の「釣りキチ三平」もそうだったけど、単行本2~3巻で1話完結みたいな構成というのは、個人的にけっこう好きかも。

それぞれの章はきちんと完結してるけど、第三部の終わりはなんとなく中途半端。白土三平があまりに連載が多すぎて体調を崩した時期なので、本当はもっと話が続くはずだったと思われる。ただし連載が続いたとしても、他の白土作品同様、ちゃんと完結したかどうかは疑問だから、ここら辺で終わっといて(作品の量的に)良かったのかも。


単純なミステリー忍者マンガとしてだけじゃなく、もっと深読みすることも可能。例えば、仲間の忍者同士を処刑する「死の掟」とは何なのか、現場のリーダーにもまったく分からない。これはどんな仕事があってどんなルールやシステムで動いているか、組織のトップ意外は「分からない」という現代日本の会社形態とダブっている。それに何もわからず操られ、戦わされて死んでゆく伊賀の下忍たちは、労働に関する詳細をほとんど知らされずに働くフリーターとも構造的に類似している。

もっとも話が難解で複雑すぎてそこまで深読みするのはかなりしんどい。とにかく展開が早くて密度が濃い作品で、三回も読み直したのには、すんなりストーリーを理解できなかったというのもあるくらいだから。



↑コミック版〝ワタリ〟



↑映画版〝ワタリ〟。こんなのが作られるなんて!

バーネット探偵社

バーネット探偵社 (アルセーヌ・ルパン全集 (17))バーネット探偵社 (アルセーヌ・ルパン全集 (17))
(1983/01)
モーリス=ルブラン

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アルセーヌ・ルパンのシリーズは後半になるとだんだんつまらなくなってくるけど、この「バーネット探偵社」あたりはなかなか秀逸な出来。モーリス・ルブランが64歳のときに出版された短編集で、この次の「謎の家」から後は急激に質が落ちるので、ある意味「バーネット探偵社 」はシリーズの中でも大きな節目の作品なのかもしれない。

〝調査量無料〟の宣伝文句で、ジム・バーネット=アルセーヌ・ルパンが事件を解決しながら、最後にはなにかしらピンハネする内容の8つの短編集。1話読むのに20~30分くらいで、どれもちゃんとした〝オチ〟がある。仕事から帰って夜寝る前に1話づつ読み続けて、ちょうど1週間ちょっと楽しめた。こんなふうにミステリー小説を読むのも久しぶり。なんとなく懐かしい気分だった。

ところでこの「バーネット探偵社 」、子供向けにアレンジされた「ルパンの名探偵」を先に読んでしまうと、バーネットがとても悪人に思えてしまう。もともと泥棒なんだから悪人が正解なんだけど。。。




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