続813

続813 (アルセーヌ・ルパン全集 (6))続813 (アルセーヌ・ルパン全集 (6))
(1981/01)
モーリス・ルブラン

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「813」の続編というより、第二部といったほうが正解。前作ではいろんな謎を残したままになっていて、それが本作ですべて解決されるわけだけど、それがとにかくよく出来てて、作者の最高傑作という評価に十分値する作品。ネタ的に時代を感じさせるもの(例えば変装)とかはあるとしても、そんなマイナス要素は気にしないで楽しむべきでしょう。

ルパンものの代表作といえば、圧倒的な翻訳の数から「奇岩城」と思われがちで、「813」の方はどちらかというと地味な印象があるのは確か。この「813」を初めて読んだのは、南洋一郎文の児童向けポプラ社版全集。確か4~5冊しか読んでなくて、そのうちの一冊がこの「813」だったのはとても幸運だったというべきか?当時まだそれほどいろんな作品に接してない時期に、このどんでん返しにつぐどんでん返しの展開はとにかく衝撃的!いつまでたっても記憶に残り続けた究極の一品。途中でルパンの正体がバレるところ、APOONの暗号解読、ムチャクチャ意外だったラストの犯人と、いくら褒めても褒めきれない感じ。ただし、分からない人(ウチのカミさんとか)にはいくら説明しても通じないのが残念。。。

改めて読み直すと、泥棒という主人公の性質情、作品の中ではどちらかというと悪役的というか、物語の進行役(いわゆる追いかける側の立場)に対して、常に謎めいた存在だったルパンが、本作から全面的に物語の進行役として活躍しているのが分かる。正体を暴かれる側から、正体を暴く側(本作では殺人鬼の正体を追い求めるように)へ移行していくちょうど過度期の作品ってことになるのかもしれない。

児童版ではばっさり切られた箇所がたくさんあって、完版に出てくるどろどろした恋愛エピソードなんかは、けっこう違和感があった。先にそっちを読んじゃったせいか、どうしても完訳に馴染めなかったりして。やはり児童版にはないラストで、ルパンはティベリウスの断崖から身を投げて自殺する。今思えば、コナン・ドイルがシャーロック・ホームズをライヘンバッハの滝壷に落としたエピソードとそっくり。圧倒的存在感のキャラクター作り出した作者が、自分からその存在を抹消したい心境になるものだというのは、後で知った話。

これ以降の「水晶の栓」「ルパンの告白」からは、作品内の時間軸が年代順ではなくなり、怪盗というより探偵に近くなり、ミステリーというより冒険小説に近くなる。傑作もあるけど駄作だったりいらないんじゃないかって作品がまじってるのも確か。だけど「怪盗紳士ルパン」からこの「813」までの密度の濃さ、クォリティーの圧倒的高さは、誰でも納得がいくはずだし、もっと評価されていいと思うんだけど。




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813

813 (アルセーヌ・ルパン全集 (5))813 (アルセーヌ・ルパン全集 (5))
(1981/01)
モーリス・ルブラン

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ルパン・シリーズの中では〝奇岩城〟と並んで最高傑作とされている作品。日本だと著作権の関係とかで〝奇岩城〟ばかりが翻訳されてあふれているので、こちらが白眉と思っている人が多いかもしれないけど、どちらかというと〝813〟の方が出来が面白いような気がする。初めて読んだのは子供の頃。南洋一郎翻訳の児童版で、〝813〟のラストに当たる部分のドンデン返し、最後に判明する意外な真犯人など、とてーも面白く衝撃的だった。中学校に入るまでに読んだ本の中では、間違いなくダントツ。この児童版の印象が強すぎたせいか、ずいぶん後になって、こちらの完訳を読んだとき、未亡人ドロレスに対する恋情や嫉妬だとかは、どうもなじめなかった ( ̄ω ̄;)

〝813〟は第一部〝アルセーヌ・ルパンの二重生活〟と第二部〝アルセーヌ・ルパンの3つの犯罪〟に分かれていて、これはその第一部の翻訳。ラストではいろんな謎や問題を残してストーリーは〝続813〟へと続くようになっている。なので第二部を読まないと話は中途半端・・というか、なぜ〝虎の牙〟みたいに上巻、下巻じゃないのかちょっぴり疑問。確かに本書のクライマックスで大どんでん返しがあるから、ここまででも十分楽しめるんだけど。

冒頭で殺害された大富豪が書き残した「APO ON」、レッテルに書き込まれた「813」・・大いなる野望にからむと思われるさまざまな謎をめぐってセルニーヌ公爵(ルパン)、国家警察部長ルノルマン、アルペンハイム男爵と謎の殺人鬼L.M.が三つ巴の死闘を演じる物語。さすがに100年前(1910年発表)の作品なので古さはあるものの、それを補って余りあるオリジナリティ、ユーモア、斬新さ、奇抜さを兼ね備えた作品。確かに変装ネタとか今の時代には合わないとしても、もっともっと評価されていいと思う。



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ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ

ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ (C/W ジーナ・ローランズのラップンゼル) [DVD]ティム・バートンのアラジンと魔法のランプ (C/W ジーナ・ローランズのラップンゼル) [DVD]
(2009/04/03)
ロバート・キャラダインジェームズ・アール・ジョーンズ

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原題 Faerie Tale Theatre: Aladdin and His Wonderful Lamp
製作年 1986年
製作国 アメリカ
配給 トランスフォーマー=スローラーナー
上映時間 48分

ティム・バートンが「ピーウィーの冒険」よりも前に撮作品。こんなマイナーなネタがDVDで出てるのにはびっくり。童話などを題材にしたTVシリーズの一編で、基本的にオリジナルのストーリーに忠実に作られてる。子供向けのようで、セットはチープだし安っぽい作りになっている。特筆すべきところは特にないかと思ったら・・・まずランプの精がダース・ヴェイダーの声で有名なジェームズ・アール・ジョーンズ、そしてランプの精がスタートレックのミスター・スポック役で有名なレナード・ニモイと、役者に対してけっこう監督のこだわりがあったりして。

セットがちゃっちいといっても、ランプが隠されていた洞窟のデザインは明らかにティム・バートン風。細かくチェックすれば、意外と見所な発見はあるのかも。しょぼい特撮もご愛嬌。子供向け作品なので期待する方が間違いなわけで、この後飛躍的にブレイクしていくバートンの原点として見る分には、悪くない作品だと思う。




水晶の栓

水晶の栓 (アルセーヌ・ルパン全集 (7))水晶の栓 (アルセーヌ・ルパン全集 (7))
(1982/01)
モーリス=ルブラン

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ドーブレック代議士の別荘に押し入ったルパンが高価な美術品を奪おうとして失敗。二人の手下を置き去りにして命からがら逃走。このとき手下どもが殺人を犯してまで奪い合った水晶の水差しの栓を持ち帰ったルパン。一夜あけてこれを調べてみようとしたとき、水晶の栓は跡形もなく消えていた……水晶の栓をめぐって複雑にからみあう謎、政治家の汚職にからんだ松本清張を連想させる政治ドラマ、徹底的にミスを連発しながら最後の土壇場での大逆転と、あとがきで訳者がいうように〝ルパン・シリーズの白眉〟とまではいかなくとも、作者が絶頂期に書いた佳作なのは確か。

なのにどうしても昔からのこ作品になじめないのは、「人を殺さない」というポリシーがあるはずのルパンが、部下を射殺してしまうくだりがあるから。最初に読んだのは20年以上前だけどはえっ?と思ったもので、ここだけが強く印象の残ってる。改めて読み直すと、射殺されて当然のどうしょうもない部下というのを、作中でやたらと強調してるんだけど、それでも部下を殺してしまうのはどうかと。。。

ちなみに〝813〟までは作品の出版と内容が時系列で進んでいたけど、本書とその後に出版された〝ルパンの告白〟は過去にさかのぼって〝奇岩城〟の前に起きたエピソードということになっている。〝813〟などでもルパンは殺しだけはやらないといわれているので、ここでの射殺はいったいなんだろうと気になってしまう。もっとも、つじつまの合わないエピソードは、この後も度々いろんな作品で出てくるので、いちいち気にするべきじゃないのかも。

ところで水晶の栓の意外な隠し場所というのは、アニメ〝ルパン三世〟の最初のシリーズでも引用されてたっけ。敵に傷つけられたルパンが何日も寝込むくだりは〝カリオストロの城〟にそっくりなシーンがあったし、この時代のルブランのオリジナリティーというか、アイデアの豊かさにはつくづく関心する。ミステリー作家として、もうちょっと評価されていい気がするんだけどなぁ。



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