バッハ・トッカータ vol.1

トッカータ01

CDは2枚組で7曲あるバッハのトッカータを全曲収録。LPではグールドの生存中は最初は半分収録だった。
最初に録音したのが1963年に1曲(BWV914)。次に録音したのはなんと13年後で、それから3年間で一気に全曲の録音を完了した。最初に録音したBWV914を録り直さなかったのは、演奏的に良しと考えたからなのか?そこらへんの理由は不明。

トッカータというのは「触る」「弾く」という意味を持つイタリア語のトッカーレからきた鍵盤楽器の名称。16世紀から作られていた即興的な音楽。元々がチェンバロの曲なのでちょっと退屈なところはあるけど、それをグールドはピアノでも違和感なく聞かせてくれる。むしろチェンバロの演奏よりもしっくりくるくらい。ただ、バッハが20歳のころに書いた教育用の曲なので、じっくり聞きこむほどではないのかも。
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モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第5巻(第14、16番、17番、幻想曲ハ短調)

モーツァルトソナタ05

モーツァルトのピアノ・ソナタ集第5弾で1975年の発売。これで1番から17番までのモーツァルトのピアノ・ソナタ全集が完結。あいたスペースに幻想曲を収め、収録もほぼ作品番号順。当時のLPレコードの時代としてはしっかりまとまっていると思う。このアルバムの4年後には全曲セットの5枚組みが発売されている。

最後まで手癖のオンパレードというか、これはやっぱりグールドが演奏したモーツァルト。、モーツァルトのソナタ全集として定番にはなりえないくらいかな。慣れてくればスタンダードな演奏よりもこっちのが楽しめたりするんだけど。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第4巻(第11、15番、へ長調、幻想曲二短調)

モーツァルトソナタ04

1973年発売の第4弾。グールドの演奏の中では「ゴールドベルク変奏曲」の次に有名なのが、このアルバムの「第11番トルコ行進曲」。とにかく遅い!第1楽章の変奏曲は止まってしまうんじゃないかってくらいだし、第3楽章にしてもこんなゆっくりしたテンポで弾いた演奏家は他にいなかった。グールドが作曲家の指示よりもはるかに遅いテンポで弾いたことは、これ以前にも何度もあったけど、この「第11番トルコ行進曲」はモーツァルトのピアノ・ソナタの中で最も有名というだけじゃなく、ありとあらゆるピアノ・ソナタの中でもトップクラスで人気の高い曲。それをここまで個性的な演奏で弾いたことで、グールドの代名詞のようになってしまった。

意表をついた演奏でひと目を引こうとしたというのは、本人のインタビューでもそれっぽことを言っているので事実かもしれない。でも、「第11番トルコ行進曲」の第3楽章や「幻想曲二短調」は、遅いテンポで演奏することでより悲しさが強調されている気がするし、意外性を狙っただけではなく楽譜に忠実な演奏とは違った魅力を引き出していると思う。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第3巻(第8,10,12,13番)

モーツァルトソナタ03

1972年に発売された第3集。CD全集などの作品番号順ではなく、LPで収録された曲順で聴くと、いきなりソナタ第8番イ短調の強烈なハイスピード連打で始まる。まるでロックのアルバムを聴いているかのようとでもいうか。モーツァルトの指示よりも明らかに速すぎるテンポ、かといって雑に弾いているかというとそうではなくてテクニックは完璧。だから最初は違和感があっても、何度も聴いているとこの演奏以外の演奏が生ぬるいように感じてしまったりする。

これはモーツァルトのソナタ集というより、グールドのアルバムなんだと思う。第8番イ短調だけじゃなく、他の曲もとにかく速い。どちらかというとモーツァルトのピアノソナタはベートーベンとかに比べると単調なので、これくらいの方が飽きがこないのは確か。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第2巻(第6,7,9番)

モーツァルトソナタ02

第1集の翌年1969年に発売されたモーツァルトのソナタ集第2弾。モーツァルトのソナタを全曲録音するというプランに真っ先に驚いたのはコロンビア・レコードのプロデューサーだった。しかし会社はグールドが何を録音するにしても受け入れる体質になっていたので、反対されることはまったくといってなくなっていた。

コロンビアは、録音をこれまでのニューヨークからグールドの住むトロントに移行することも容認。それまで年に20回くらいニューヨークに行くことにストレスを感じていたグールドにとって、とても都合の良いことだった。1962年からグールドは飛行機に乗らなくなっていたので、車で移動した場合、片道で10時間も時間を潰さなくてはならなかっし、ピアノも一緒に移動させていたので税関手続きなどとても手間がかかっていたのだから。

このアルバムに収められた6番から9番と10番を通して聴くと、テンポや弾き方が全曲を通して統一されている感じがする。くっきりとしたタッチで全体のテンポは速め。まるで1枚のコンセプトをして計画的に仕上げたかのような。

モーツァルト:ピアノ・ソナタ集第1巻(第1番~第5番)

モーツァルトソナタ01

1968年3月に発売されたグールド30枚目のアルバムで、1番から5番まで最初の5曲を収録したソナタ全集の1枚目。あちこちでモーツァルトの指示を無視した奇抜な演奏はバッハの「ゴールドベルク変奏曲」とは違って賛否両論だった。

初めて買ったモーツァルトのピアノソナタ全集が実はグールドの演奏版だった。まだグールドことをよく分かってなかったので、歌声は入ってるし、テンポはバラバラだしなんだこれ?という違和感しかなくて、すぐに手放してしまった。だからたぶん、モーツァルトの指示に忠実でオーソドックスな演奏を好む人には向かないのかもしれない。

けれどある程度他のグールドの演奏に慣れてから改めて聴いてみると、これはこれでありなのかなって思えてくる。特に最初の方のソナタは、スタンダードな演奏だとけっこう退屈だったりするのに、グールド流のアレンジが加えられてなかなかいい感じ。これに慣れてしまうと、今度はスタンダードな演奏がつまらなくなってしまうから不思議。

ゴルトベルク変奏曲 1981年

ゴルトベルク変奏 1981年

26年ぶりに行ったデビュー曲の再録音。グールドはしばらくぶりに最初の録音を聴いて、悪くないと思いつつ別の解釈で演奏してみたくなり録音を行った。テンポは若い頃の初々しい演奏に比べると全体にかなりゆったりで、55年の録音が38分23秒だったのに対して、この81年録音は51分19秒。主題は1分45秒で、今回は3分と極端に長い。生前最後の録音となったこの曲は、まるで自分の死を予感しているかのようにゆったりと悲しげに聞こえてくる。

精神安定剤や鎮静剤に依存した不規則な生活を長年続けていたグールドは、この曲を録音した頃には実際の年齢りも明らかに老け込んでいた。ノイローゼでもあり、薬物中毒。額の髪は薄くなり、分厚い眼鏡をかけ、腰は曲がり、デビューしたばかりの颯爽とした雰囲気とはまるで別人のよう。そんな別人が同じ曲を演奏したのだから、違った解釈になるのは自然なことなのかもしれない。グールドは同じ曲の再レコーディングをほとんど行わなかったので、この1981年版「ゴルトベルク変奏曲」は数少ない例外となった。

「猛烈なテンポで弾きまくった1955年の録音と違って、新しい録音では個々の変奏のテンポが残りの変奏と密接な関係にあるのさ。理論にかないじっくりと考え抜かれて演奏されている」そんな原稿をグールドは残している。実際、新しい演奏は絶対的な地位を確立した若い頃の旧盤とは別に、これはこれで哀愁があって聴き応えのある作品になっている。

動悸がする・・・・腕のほてり・・・・胸に消化不良のような痛み・・・・
起きているときの高い脈拍は体を動かしていると減少する・・・・
かじかむような悪寒・・・・鼻のあたまや足首から背中にかけて・・・・
水分を取ると背中に痛み・・・・かがむと血を吐きそうな感覚になる・・・・
痙攣のたびに目が覚める・・・・睡眠時間は3時間・・・・
膀胱が圧迫されて目が覚め、失禁してしまった・・・・幼児のとき依頼だ・・・・

レコーディングをしている頃のグールドの身体はこんな状態だった。薬の量もハンパではなく、睡眠薬、風邪や感染の治療に抗生物質、胃の薬、鎮痛剤、炎症抑制剤、利尿剤、湿疹薬、そして大量の精神安定剤・・・こういった薬が引き起こす副作用について、本人は何も考えていなかったのかも知れない。芸術家にありがちな無知とでもいうか。

1982年4月23日から5月29日のセッションで録音された新しい「ゴルトベルク変奏曲」。グールドはこの後にもいろいろな録音を行うことに意欲的だったけれど、健康状態は悪くなる一方。そして1984年9月27日にバスルームに向かう途中で眠ってしまい、起きたときには身体の半身が麻痺した状態だった。これは脳卒中によくある症状で、それでも電話で知人を呼び、自分で部屋の鍵を開けることはできた。命に関わるほどの重態とは思っていなかったようで本人は入院を拒否するものの、まわりの説得でそのまま入院。しかし症状は悪化する一方だった。全身が麻痺して昏睡状態に陥ってしまう。1982年10月4日生命維持装置を取り外され死去。50歳になったばかりだった。

亡くなる直前に発売されたこのレコードは大きな話題となり、1983年に、グラミー賞を受賞。日本でもレコードアカデミー賞を受賞して、レコード史上、不朽の傑作として評価されている。

ゴルトベルク変奏曲 1956年

ゴルトベルク変奏曲1956年

1956年に発売されて大ヒットしたグールド23歳のデビュー作..。これ程世間を騒がせたクラシックのアルバムは後にも先にも存在しない。バッハが指定した繰り返しやテンポを無視して、普通に弾いたら1時間以上かかる退屈な曲を、見事に現代に蘇らせた画期的アルバム。

1955年1月、22歳のグレン・グールドはカナダの天才ピアニストというふれ込みで、初めてアメリカ公演を行う。2日に首都ワシントンで初公演。11日のニューヨーク公演にはコロンビアレコードのクラシック部門のディレクター、デイビッド・オッペンハイマーもかけつけた。
高さ30センチの低い椅子に腰掛け、鍵盤に顔を極端に近づけて鼻歌まじりにピアノを弾く型破りなスタイルと、超絶技巧なグールドの演奏にすっかり魅了された・オッペンハイマーは、翌日12日には専属契約を成立させる。

そしてアルバムの制作となったとき、グールドが希望したのがこの「ゴールドベルク変奏曲」。今と違って当時はチェンバロで演奏されるための曲、格式張った長く堅苦しい音楽、そんなイメージでほとんど知る人も少なかったので、レコード会社にしてみたらそんな売れそうもない曲をデビュー盤に選ぶべきではないと考えるのが当然だった。

ところがグールドはどうしてもこの曲がいいといって聞かず、結局はレコード会社が折れることになった。結果はあまりに個性的な演奏が話題となり、発売されるやチャートの1位を獲得、この年のクラッシクのアルバム売り上げナンバー1となり、グールドの名声も一気に世界に広まった。

ジャケットデザインも演奏同様に奇跡的な仕上がり。報道写真家ダン・ウェイナーの30の変奏にあわせた30枚のモノクロ写真が若い頃のグールドの活気溢れる雰囲気をしっかり捉えていて、見事にアルバムの内容を表現している。

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