三十棺桶島 南洋一郎

三十棺桶島
昭和34年11月

原作は前後編の「813」と「虎の牙」を除けば最も長い作品。この南版では他作品と変わらない250ページまで圧縮。原作では第一次大戦でフランスの敵国だったドイツへの憎しみがこれでもかとばかりに描写されていたけど、そこは大幅に緩く・・・というかほとんど省略。第二次世界大戦では日本とドイツは同盟国だったことが関係あるのかどうか分からないけど、子供にドイツのことを悪く伝えても仕方ないしね。ボートでの大虐殺や子供同士の殺し合いといった残虐シーンも、当然のごとく大幅にカット。

それでも次から次へと人は殺されるし、閉鎖的な村や不気味な予言といったホラーミステリー的な要素はしっかり残されてるので、子供が読んだら十分に怖いのかもしれない。「スーパーマン」という名称はどの巻でも必ずといっていいほど頻繁に出てきたけど、今回は悪役の前に自分の正体を明かすとき、「おれはスーパーマンのアルセーヌ・ルパンだ」とまで言いきってしまう。子供の頃だったら気にならなかったのかなぁ・・・

怪奇ホラー的な展開だったのが、クライマックスの謎解きのあたりからはほとんどSFに近い科学小説なのは原作と一緒。ただ、ルパンが変装していたドルイド僧の描写は、原作を読んだときの方が圧倒的にインパクト大。子供の頃に読んだ南版の4冊はどれも本当に面白かったのに、残念ながら大人になって読んだ南版では、そんな興奮とか感動がほとんど沸いてこない。原作読んでネタも分かってるし、そもそも子供向けにアレンジしてあるんだから、そりゃあ当たり前なんだけど。

七つの秘密 南洋一郎

7つの秘

表紙のルパンがどうしても007の頃のショーン・コネリーに見えたりして。それにしても本文中にはルパンのことをはっきり若者と書いてあるのに、このポプラ社の一連の表紙はどう見ても40代の中年のおじさん。なのでどうしても違和感があるんだけど、南洋一郎の独特の文章だけじゃなく、1~15巻までを担当した牧秀人の印象的なカバー絵もこのシリーズに大きく貢献してるんだから、これはこれで良しと考えるべきなのかな。

基本的には「ルパンの告白」からの話を中心に7つの短編を収録。最初に1959年に出版されたときは、「バーネット探偵社」の短編の2話とアメリカ版「ルパンの告白」に入っていた短編「山羊皮服を着た男」が収録されていた。このときはタイトルもすべて「~の秘密」で統一。それが1971年に改訂されたとき、もともと全15巻で完結したときは入っていなかった「バーネット探偵社」も「ルパンの名探偵」として出版されることになり、「バーネット探偵社」の短編2話をそちらに移動。「ピラミッドの秘密」のプロローグだった「地獄のわな」と「さまよう死神」を代わりに収録というややこしい構成になっている。

怪盗対名探偵 南洋一郎

09怪盗対名探偵

原作は「ルパン対ホームズ」で基本的には原作通り。「金髪美人」のラストでルパンが気球で逃げるところは、隠しドアを通って裏道から逃げるように変更。派手に気球で逃げた方が子供向けっぽい気がするけど、このシリーズ全般的な傾向として、原作に出てくる小道具やセットなんかの派手な部分は抑えられてるみたい。「ユダヤランプの秘密」の不倫話しは当然控えめに変更。大人になってから読むとなんだか不自然な気がしないでもない。

この本は原作を先に読んだせいか、ルパンとホームズのお互いが意地をはりあったやりとりとか、明らかに原作の方が面白いと思う。というか、この南洋一郎のシリーズをここまで読んできて思ったのは、子供の頃に読んだ数冊はどれも強烈な印象だったのに、大人になって読み直してみるとどれも原作の方が上に感じてしまう。とくにこの作品のルパンとホームズのやり取りは、原作だとすごくワクワクしたのに、この南版だとあっさりしてるように感じてしまった。子供が読んでこそ面白いように書かれてるから?というか実際そうなんだろうけど。

蛇足だけど、小学生のころに他の児童版の「ルパン対ホームズ」を読んだことがあって、「ユダヤランプの秘密」が省かれて、「金髪美人」だけで1冊になっていた。そのときのラストのイメージはかなり強かったので、このポプラ社版でも「金髪美人」で終わらせた方が良かったんじゃないかって気がする。

アフロ・キューバン

アフロ・キューバン
Afro-Cuban Blue Note 1507
1955年

もともとは1955年に4曲入りの10インチのレコードとして発売された、ケニー・ドーハムのブルー・ノート初リーダー作。このコンガ入りのリズム隊を加えたキューバン風の演奏4曲をA面、未発表だったコンガなしの演奏3曲をB面に収録して、12インチLPとして発売したのがこのアルバム。10インチの再編集でも、こういうダブリがないほうがやっぱり聴きやすいかな。

ドラムにアート・ブレイキー、ピアノにホレス・シルヴァー、サックスにハンク・モブレーと、6人中4人がジャズ・メッセンジャーズのメンバー。「カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ」よりもほんの少し前の演奏。

注目はやっぱり最初の4曲で、本格的なキューバン音楽というより、ラテン系のテイストをジャズの中に取り入れた感じ。ただし2曲めのスロー・バラードはコンガをはずせば普通のスロー・ジャズみたいだったりするんだけど。

不滅のファッツ・ナヴァロ 第2集

ファッツ・ナヴァロ02
1531

ファッツ・ナヴァロの第2集。このアルバムも最初の3曲が2テイクづつという選曲。おそらく商売上の都合だろうけど、少ない録音でなるべく多くのアルバムをリリースしたかったにしても、ちょっとダブりが多すぎ。さすがにマニアじゃないとちょっとつらいかな。

ナヴァロはリーダーのリーダーアルバムが計画されていたものの、突然の事故死で実現することはなかった。残っている演奏も3分前後の短い曲ばかりで、長いソロを吹き込む機会もなし。それでもリーダーでもなくてダブりの多いアルバムが2枚もリリースされたわけだから、ある意味凄いというか。商売上の理由で1枚出すのがやっとな演奏を2枚に水増ししたのか、それともプロデユーサーのアルフレッド・ライオンがそれだけファッツ・ナヴァロへの思い入れが強かったのか分からないけど、1枚にまとめた方がよかったんじゃないかなっていうのが個人的な感想。

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