不滅のファッツ・ナヴァロ 第1集

ファッツ・ナヴァロ01
The Fabulos Fats Navarro Vol.1 BLP-1531

1950年にドラッグと結核が原因で、26歳の若さで死去した天才トランペッターのファッツ・ナヴァロ。彼が残した録音はとても少ない。死後7年たった1957年にLPにとしてまとめられたブルーノートの2枚が初めての12インチで、元になったのはたった1枚の10インチLPでしかない。そもそも単独でリーダーになったアルバムは1枚もない。ブルーノートの2枚のLPも、ほとんど寄せ集めに近い。

よっぽど録音が少なかったんだとは思うけど、全11曲収録のうち別テイクの演奏が4曲あって、最初の3曲は2テイクづつ。それにバド・パウエルのアルバムに収録されている「Wail」と「Bouncing With Bud」の別テイクが入っていたり、さすがにダブりが多すぎ。大きくアレンジを変えてるわけでもないから、あまり違いも分からないし。そのバド・パウエルのピアノ演奏が他のピアノと比べて飛びぬけて凄いので、バド・パウエルの凄さがとても分かりやすいアルバムだったりして。

1940年代後半のビ・バップの時代の演奏ではあるものの、バックにユニゾンとハーモニーなんかは、スイング・ジャズの雰囲気がかなり強い。ファッツ・ナヴァロはアドリブの主張が強いビ・バップのパイオニア的トランペッターと言われているけど、アドリブよりもきちんとアレンジされたフレーズを抜群のテクニックで華麗に吹きこなす演奏者といった感じ。

マイルス・デイヴィス・オールスターズ Vol.2

Miles Davis Vol2
Miles Davis Volume 2
1955年

1曲目はスピード感のある「テイク・オフ」。中盤にしっとりした「アイ・ウェイテッド・フォー・ユー」と、それなりにアルバムとしてのまとまりを意識したような作りにはなってる。曲のダブリもないのでこれだけ聴くとちゃんとしてるような印象。でもVol.1と通して聴くと、4曲もダブりがあって、1曲目だった「テンパス・フュージット」の別テイクが最後から2番目に入ってたり。。。

演奏者を詳しくみてみると、ピアノのホレス・シルバーの演奏はVol.2にしか入ってないので、やっぱりVol.1とVol.2で単独アルバムとして成立するような調整はしてたようでもある。だから通して聴くんじゃなくてこっちはこっちみたいな聴き方をなるべくするようにしてる。実際通して聴くとちょっと辛いんだけど、単独だと随分違った印象になるので。

管楽器がマイルスのトランペットだけという、いわゆる1ホーン。ジャズの歴史とかはまだ不勉強だけど、この少し前の時代はスィングという大所帯の演奏がメインだったようだから、当時としてはチャレンジ的な編成だったのかな。

黄金三角 南洋一郎

06黄金三角


原作は「金三角」で内容の変更もほとんどなく、ルパンはドン・ルイスの偽名で後半からの登場。原作が傑作の部類に入るだけあって普通に楽しめた。ただ、先に原作を読んだ後だと、どうしてもこじんまりしたダイジェストみたいな感じがしてしまう。子供向けにアレンジした小説を、大の大人になってから読んで子供のように胸をときめかせられるはずもないんだけど。

ページ数で比べると偕成社版は459ページ、こちらポプラ社の南版は262ページ。字数は偕成社版16行45字で南版15行45字。ほぼほぼ半分くらいの字数だと考えてよさそう。だとしたら盛りだくさんな内容の作品なので、多少はエピソードを削って簡略化したほうが分かりやすくなるんじゃないか・・・なんて思ったりした。

初めて読んだときは、黄金の隠し場所のトリックに関してはそれほど印象もなかった。でも今回読んでて、アニメの「ルパン三世」第1シリーズの中の、造幣局から盗んだ札束を平たく重ねて隠すトリックが、ここからアイデアを借用したんじゃないかって気がした。モーリス・ルブランという作家は本当にアイデア豊富だったんだなってつくづく感心する。

八つの犯罪 南洋一郎

05八つの犯


原作は短編集の八点鐘。内容はほとんどそのまんま。ただ、原作では主人公のレニーヌ公爵の正体はルパンかもしれない・・・と冒頭にさりげなくあるだけなのが、こちらでは最後の最後で自分はルパンだ!と意味もなく宣言してしまう。この本が最初に出版されたときは、「ぼくの少年時代」という話しが収録されていて、そこでルパンが自分の少年時代の話しを語る構成だったらしい。

八点鐘を読んだのが30年も前で、雪の上の足跡の単純なトリックが当時はとても印象的だったくらいしか覚えてなかった。あとは最後にヒロインが主人公に心を許すエンディングかな。恋愛的な要素は子供向けに大幅に温く改変されてる。

今回読んでみて「殺人魔女」なんかは、「羊たちの沈黙」に代表される連続猟奇殺人事件物の原点みたいな感じ。そういうふうに言われてるのを見たことないし、偕成社版を読んだときはまったく気づかなかった。というよりたぶん、「羊たちの沈黙」とか見てなかった気がする。そう考えたらこの話だけでも、サイコパスものの原点としてもっと評価されていいような気がするんだけど。

古塔の地下牢 南洋一郎

元作品は「水晶の栓」で、子供むけにタイトルを変更したのではないかと。
大筋は原作と同じだけど、ルパンが部下を射殺しちゃうところは傷を負わせるだけに変更。あと、部下の母親との恋愛シーンはほとんどカットしたり、子供向けの変更はあちこちに散見。

よく読むとあちこちに矛盾があってたり、あれれ・・・みたいなところも多々あるんだけど、そんなのを気にするのは野暮なのかも。当たり前だけど原作を読んでネタが分かってる大人が、原作を読んだことのない子供が読むような興奮を味わえるわけがなく、どうしたって時間潰し程度のささやかな時間潰しになってしまうのはやむを得ないところ。

もし、これを子供の頃に読んでたらどうだったんだろう・・・みたいなことを想像しながら、1日の空き時間をちょろちょろ使って読み終えたあと、偕成社版の原作を開いて気になったところを飛ばし読みしてみた。当然のことながら原作の方が読み応えもあり、改めて子供向けの本は子供の頃に読むべきなんだと再認識。

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